捧さんの作品は手にとると、少しざらっとして土の感触を皮膚に思い出させてくれます。おもわず両手の掌で包み込んでしまいたくなる愛おしさがあります。それは、山間の地域に住み、自然豊かな場所で古くからの暮らしを大切にしている人々の中で生活しているからなのでしょう。そんな環境が感性を研ぎ澄ませてくれているのだそうです。想像と製作が生活の近くにあるのが理想と言う捧さんの日々の結晶が作品になって生み出されているのが伝わってきます。私は何故か、子供の頃土いじりをした遠い記憶を呼び覚まされるような不思議な感覚に陥る器たちです。
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