陶芸家

Christopher Mark Clark
(クリス・クラーク)

クリス・クラークさんとの出会いは、英国の食品を調べていて英国大使館のかたとメールのやりとりをしていた時です。実は食器を扱うお店を近く開くつもりがあるとついでに書いたメールに、親切にも「もし、興味があったら・・・」とクリスさんの連絡先をいただいたのです。住所は千葉県夷隅郡。軽い気持ちでお電話すると、お住まいは房総の秘境といわれる養老渓谷とのこと。でも『塩釉』という焼き方に興味があったし、窯を拝見できるというので、友人とハイキングのようなつもりでたずねたのです。
仙人のような暮らしを想像していたのですが全く違って、悠々自適なカントリーライフという感じ。陶芸の窯の横にピッツア用のちいさな窯があったり、ゆったり暮らしを楽しみながら作陶に励んでいらっしゃる様子。お話を聞くうちに興味深かったのは、イギリス人は取っ手がとても重要だということでした。日本人の作家が高台が重要なのと同じ感じらしいです。
そう言われてみるとクリスさんのマグカップの取っ手、ドアノブみたいなデザインですごく持ちやすいんです。改めてヨーロッパとの文化の違いを思いました。
『塩釉』という技法も初めてじっくりみせていただきましたが、なんでも窯の温度が1300度くらいに上がった時に8キロくらいの塩を入れるのだそうです。そうすると窯の中で化学変化をおこして雪が降ったような模様ができるのだそうです。
コバルト色の釉薬も窯の中の場所でまったく違う色になるので、この色の器を作ってくれといわれても難しいのだそうです。
十字を描いた鉢に奥様がアメリカンチェリーを盛ってきてくれたのですが、深紅の色を器が引き立てて、なおかつ自己主張もある素敵な組み合わせでした。


Christopher Mark Clark クリス・クラーク プロフィール
1951年 英国生まれ
1975年〜 英会話教師と両立しながら作陶を始める
1989〜91 作陶に専念。独自で登り窯を作る
  焼締、塩釉を手がける
   
 
毎年、都内デパートにて個展
   
   
 

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